
【当該規定施行から廃止までの経緯】
▼ 平成18年5月に施行
▼ 平成19年に一部改正
▼ 平成21年度の税制改正による廃止が民主党の公約違反により見送られる
▼ 各方面からの批判や陳情に押されるかたちで、平成22年度の税制改正大綱により廃止が決定的となる
▼ 平成22年3月24日、参議院本会議において賛成多数により廃止が決定
(1)内容
…「特殊支配同族会社」の業務主宰役員の給与のうち、
「給与所得控除額相当額」は、損金の額に算入しない。
(「給与所得控除額」というのはその役員について個人の確定申告時
に適用される"所得税法"の規定です。 )
(2)特殊支配同族会社とは
…筆頭株主グループがその会社の発行株式総数・総額の90%以上を
保有している法人で、常務役員の過半数が筆頭株主グループに属
している法人。
(3)適用事業年度
…平成18年4月1日以後開始事業年度から適用
(平成19年4月1日以後開始事業年度からは一部改正あり(4)参照)
(4)適用除外
…前3年基準所得金額*が1,600万円以下(注)の場合 など
(注)平成19年4月の改正により800万円から1600万円以下になりました
*前3年基準所得金額とは
…{当期前3年間の(所得金額+業務主宰役員給与額+青色欠損金の繰越控除額)
ー当期前3年間の(欠損金ー業務主宰役員給与額)}×36分の12
(5)適用例 〜業務主宰役員の給与が年1000万円の場合〜
[損金不算入額]……2,200,000円(給与所得控除額)
[法人税の増加額]…2,200,000×30%=660,000円
(※他の規定の適用関係により金額は多少異なります。)
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この規定には以下のような問題点がありました。
1)法人と個人を混同しており、合理的でないこと
2)役員に給与を支払ってしまっているため、会社に担税力がないこと
3)なぜ、1人オーナー法人に対してだけ増税するのか不明なこと
4)小規模な株式会社を設立しやすくするために新設した"会社法"との矛盾
 
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